2020.10.30 本社栽培課 Mさん
自分の担当する苗は必ず初日に灌水(水かけ)をすることです。
育苗のスタートに大きな責任を感じており、初日の潅水が最終の苗姿や苗丈の揃いに影響を与えると考えています。私は、少なくとも自分が初めに手をかけた苗は、最後まで面倒を見ることを心掛けています。そのため、日々その苗のことに気をかけているので愛着が湧き、休みの日でもそのことを考えることはよくあります。
接ぎ木する予定日に自分のイメージしていた通りの苗姿になった時です。
接ぎ木では、穂木と台木のバランスが良いこと、苗がしっかりとしていて長さも揃っていることが理想です。接ぎ木や次工程、最終的に生産者の方へお届けする際に、自分が育てた苗で良い評価を頂けると、やった!と感じ、この仕事のやりがいを感じます。
季節の変わり目や天候不順での栽培管理です。ハウス栽培においても、梅雨や気候変動などで、うまく苗が生育しないことがあります。
20年近くこの仕事に携わった中で最も苦しんだのも、この気候変動でした。10年ほど前、トマト苗の管理者を担当していた際、苗の立ち枯れがハウス丸ごと発生しました。様々な方法で対処を試みましたが、その連鎖は止められず、悔しい思いでいっぱいの毎日だったことを覚えています。
しかし、その教訓が今の栽培管理に活かされているのではないかと思います。
苗づくりは“作品づくり”だと思っています。
芸術作品をつくるとき、気持ちが落ち込んでいたりすると、作品にそれが現われてしまうと聞きますが、苗づくりも、つくった人の気持ちが反映されやすいと私は考えています。そのため、日々強い気持ちで苗づくりに挑むことを心掛けています。