ウイルスガード苗の開発秘話

ウイルスガード苗の特徴を教えて下さい。

開発する商品がたくさんの生産者を助けることになると感じ意気込んで開発に取り組みました。

私が入社して最初に携わった仕事がZY接種に関する取り組みでした。
そもそもZY接種苗とはキュウリに発生するズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)というモザイク病の感染被害を防ぐために開発した苗です。
私も最初キュウリにそのような病気があるとは知りませんでした。ただ、この症状が出てしまうと、栽培中のキュウリは出荷できず、ましてや農薬では防ぐことが出来ないやっかいな病気です。実際に病気が発生している圃場を巡回するたび、被害の甚大さ・実際に悩んでキュウリの栽培を止めようとしている生産者が多数いること痛感し、開発する商品がたくさんの生産者を助けることになると感じ意気込んで開発に取り組みました。

開発時に苦労したことはなんですか?

現地で見たモザイク病に困っている生産者方々の顔を思い出すと、諦めるわけにはいきませんでした。

開発当初からすぐに成功するわけではありませんでした。
言葉では簡単ですが、ただでさえキュウリ苗は育苗することが難しいうえに弱毒ウイルスを接種する工程が入る、その中でも一番の壁となったのは「感染率」です。
この感染率とはキュウリの子葉に弱毒ウイルスである「キュービオZY-02」を直接接種させ、キュウリの苗に「干渉効果」を持たせることです。ただ、接種しても必ずしも植物の全身に弱毒ウイルスが行き渡るわけでなく、もちろん中には接種効果が無い苗もありました。効果を人間で言ってしまえばインフルエンザ予防接種と似ているかもしれません。
感染率が低いことで必要な数量が確保できない、実際に使用していただいた生産者様の圃場で弱毒ウイルス接種苗としての効果が発揮できないなど、何度も謝罪した記憶があります。
また、生産の方法にも苦労しました。今でこそ接種方法はスプレーガンによる接種方法を用いており、時間や手間は前ほどかからなくなったのですが、開発当初はキュウリ苗に1本1本接種する方法だったため時間は掛かるうえ、人手も掛かる最悪の状況でした。
ただ、現地で見たモザイク病に困っている生産者方々の顔を思い出すと、諦めるわけにはいきませんでした。
開発には時間は掛かりましたが、今では過去の苦労がわからないぐらいウィルスガード苗が安定的に供給できるようになり、たくさんの生産者様にも利用いただけるようになりました。

今後の商品の展望を教えてください。

新たに商品を開発し、生産者の方々の為になる商品を今後も供給できればと考えております。

現在ウィルスガード苗は福島県を中心にたくさんのキュウリ農家さんにご利用いただけております。 今ではズッキーニ黄斑モザイクウイルス病以外にも、キュウリモザイク病・スイカモザイク病にも効果が出ているウィルスガードCWの開発・供給を福島県内中心にさせて頂いており、農業に大きく貢献できる可能性を持った規格となっております。
ただ、野菜苗を作る過程において納品する苗質は苗作りのプロとして意識するところでもあります。いくらウィルスガード苗が良いとされていても、キュウリ苗として品質が悪ければ当たり前ですが怒られます。
また、他の作物においてもキュウリ同様にいろいろな病気などに悩んでいる方々はいらっしゃると思います。その中で新たに商品を開発し、生産者の方々の為になる商品を今後も供給できればと考えております。

最後に、商品のアピールをお願いします。

農業において悩みは病気以外にも気候変動や様々な問題が日々発生しております。我々も常に害虫・病気の発生は農場内に持ち込まない・発生させないことを意識して栽培しております。 その中で日本の農業のためになる商品をこれからも供給し続けられるよう、努力し改善を図っていければと思っております。

  • 01ツイン苗
    -農家さんのためにコストの壁に挑戦-

    これからもベルグアースのツイン苗買って良かったと思っていただける、商品づくりを続けていきたいです。

  • 02閉鎖苗
    -環境に左右されない育苗-

    閉鎖型苗は、まだまだ100%の完成形ではないと思っています。現状に甘んじず、改善を続けていきたいです。